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野風便り
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以降

2021.12.06(月)記
2週間ぶりの公園はうす曇り。吹く風も冷たく、広場で遊ぶ家族連れや、園路を歩いて回る人もまばらでした。いつものように池沿いの小道に降り、大きな落羽松(らくうしょう)の下を通って秋楡(あきにれ)の林を抜けました。林床はもう、秋楡の白く変色した落ち葉と落羽松の茶色い落ち葉で覆われています。



2021.11.22(月)記
公園の高木の下にて。池の端の銀杏(いちょう)は今が黄葉の見頃。落羽松(らくうしょう)はこれから茶色味を増していく。小高い丘には花の木(はなのき)が数株ある。大抵は浅く3裂した葉をもつが、写真の木は葉にほとんど裂け目がない。黄葉する木と紅葉する木があり、写真の木は一番鮮やかに紅葉する。



2021.11.16(火)記
公園の池の西側にある秋楡(あきにれ)の木立は、葉が褐色に色づきつつある。緑色の葉もまだ残り、午後の日差しの中、2つの色が複雑に絡み合った樹冠は金属的な輝きを放っている。池の東側に回り、葉が肌色に色づいた秋楡の下から池を臨む。枝葉を陽に透かし見たとき、万華鏡が作る模様を思い出した。



2021.11.08(月)記
立冬の日曜日。午後も遅くなって雲が晴れ、青空が広がった。西日に照らされる3本の秋楡(あきにれ)の木。それぞれに異なる色合いに染まり始めている。池の端にある真弓(まゆみ)の若木もたくさんの実がすっかり紅く染まり、パクリと割れた実からは朱色の種子がとろりと糸を引いてぶら下がっている。



2021.11.02(火)記
公園の池に沿った秋楡(あきにれ)の木立。午後も2時半を過ぎ、秋の日差しは西側に隣接する竹やぶに遮られて下の方まで届かない。遊歩道の階段を降りようとすると、柔らかな光のまだ当たっている枝先が白っぽくかすんで見えた。照り輝く小ぶりな葉のすき間を茶色く色づいた実がびっしりと埋めていた。


2021.11.01(月)記
公園の桂(かつら)の木。緑色の葉がまだ残っているのに、すでに半分ほど葉を落としてしまった木が多い。今夏は梅雨明けから半月ほどの間、降雨のない暑い日が続いた。全ての葉が黄色に染まるのを待つだけの体力がもう残っていないのか。それでも近くを通ると、いつもの甘酸っぱい香りで包んでくれる。


2021.10.23(土)記
風の強い土曜日だった。先週の土曜は半袖でも汗ばむ陽気だったが、今日は快晴とはいえ長袖にパーカーを重ね着しても肌寒い。農道脇の小さな畑のコスモスは過密なほど咲き乱れている。西日を浴びて風にあおられている姿は、一斉に飛び立つ蝶か水鳥の群れのようだ。手前の野草は赤蕎麦(あかそば)と思われる。


2021.10.18(月)記
道端や草地でよく見かける三つ葉の多年草、片喰(かたばみ)。葉が就眠運動で閉じると欠けたように見えることからその名がある。10月も半ばを過ぎ、同じく三つ葉でも白詰草の花はほとんど姿を消したが、片喰の黄色い花はまだ咲いている。でも夕方が近づく頃には萎んでいるので、気づかないことも多い。


2021.10.17(日)記
農道脇の丈の低いコスモスの小さな畑。1週間前はポツリポツリと数輪咲いていた。だが、穏やかに晴れ渡った昨日、コスモスは色とりどりの花を秋空に向けて突き上げていた。ほぼ無風で、花は乱舞したまま静止している。背後の休耕地では背高泡立草が幾重にも黄色い帯をなし、一帯は時間も止まっていた。



2021.10.16(土)記
この時期、道端や庭の端で目を引くピンクの花。大きな三つ葉の間からひょろりと茎を伸ばして咲く花片喰(はなかたばみ)(別名:西洋片喰)の花だ。今日、やはり大きな三つ葉だが、三角形からなる三つ葉で、花の白い片喰を畑の端に見つけた。調べてみると、三角葉片喰(さんかくばかたばみ)という種らしい。


2021.10.10(日)記
雑草の生い茂る休耕地は背高泡立草の黄色に染まりつつある。農道に沿った一角で、細かなピンクの花をつけた赤蕎麦(あかそば)とおぼしき野草と、まだ丈の低いコスモスが隣り合って揺れていた。陽気のせいか、近くの畑では花を終えた彼岸花の足元に、昼咲月見草(ひるざきつきみそう)がまだ花を見せている。



2021.10.04(月)記
ラケットの音や子供のはしゃぎ声で賑やかな日曜午後の公園。体育館の北東側は昼過ぎには日陰になるが、紫式部(むらさきしきぶ)が健気に育っていて、この秋も仁丹のような実をつけた。園内の小高い丘は穏やかな西日に包まれ、一つ葉田子(ひとつばたご)の丸い実が一つまた一つと深い藍色に染まっている。


2021.10.03(日)記
いつもの公園には池があり、周辺に秋楡(あきにれ)の成木が10本ほど植わっている。名前のとおり秋に開花・結実する落葉樹だが、9月につけるという地味な花は今年も見過ごした。花は今、黄緑色の若い実となっている。桜や、同じニレ科の欅(けやき)などに比べて分厚い小ぶりな葉を備え、乾燥に強い。


2021.09.29(水)記
今年こそは、と思っていたが、また今年もいい写真が撮れなかった彼岸花(ひがんばな)。いつの間にか茎を伸ばし、秋のお彼岸にピタリと合わせてあちこちの道端や畦を赤く染める律儀な野草。毎年目にしているはずなのに、なぜか若い頃の記憶にはない不思議な花。もっとも、彼岸花に限ったことではないが。


2021.09.28(火)記
公園の染井吉野の並木はすっかり葉を落としてしまった。山桜は、黄変した葉と残り少なくなった緑の葉がまだらについている。だがそれすら、秋の深まる前に散らしてしまいそうだ。もう何年も、桜の渋い紅葉を見ていない気がする。原因は夏の猛暑と渇水、引いては地球の温暖化にあると分かってはいるのだが。


2021.09.12(日)記
雨上がりの公園を訪ねると、甘酸っぱい香りがマスク越しにも鼻腔に届いた。円いハート形の葉を連ねた桂(かつら)の香りだ。湿っぽい空気の中で、いつにも増して瑞々しく感じられた。一つ葉田子(ひとつばたご)の実も、緑から藍色に変わりつつある。秋が深まるにつれ、しわしわの黒い球に凝縮していく。


2021.09.06(月)記
前線が去り夏の日差しが戻った先月下旬から、あちこちの庭や畑のすみで一斉にヒューンと緑色の茎を伸ばしたやつがいる。白い先端が扇状に開くと、それは小さな白い六弁花の集まりだった。これが畑を抜け出して自生している韮(にら)の花だと知り驚いた。韮は、もうすぐ秋の訪れを告げる彼岸花の仲間だ。


2021.08.18(水)記
雨空が1週間続いた後、今日は時折雲間から青空がのぞいた。公園の緑はすっかり潤い、今月上旬までの渇水状態がうそのようだ。黄や赤に色を変えた葉がまだらに混じる桜も、早くも黄葉・落葉を始めている桂や欅も、緑色に保たれた葉には生気が戻り、夕暮れのしっとりした空気に包まれてほっとしている。


2021.08.09(月)記
草地から歩道に身を乗り出して風に揺れていたコスモス。一年草なので、前年の秋にこぼれた種が同じ場所で芽吹き、毎年花を咲かせるのだろう。写してくれと言わんばかりだったが、カメラを向けても前後左右へのゆらゆらをやめてはくれなかった。こんな写真でもしかし、嬉しそうな様子に見えなくもない。


2021.08.03(火)記
夜半から昼前まで断続的に雨が降った。それなりの降雨は先月半ばに梅雨が明けてから初めてだった。猛暑続きで公園の木々、特に葉の薄い落葉樹のダメージが大きい。高木の桂(かつら)など、葉が黄変して地面に積もっている。低木には数日おきに夕方、じょうろで散水しているが、さすがに無力を感じる。


2021.07.19(月)記
海沿いの空き地の外れに、柳花笠(やなぎはながさ)を見つけた。茎の先に紫色の小さな花のかたまりを頂く姿は、同じクマツヅラ属の抱き葉荒地花笠(だきばあれちはながさ)に似ているが、抱き葉荒地花笠の茎先には小花を散らした花穂が集まっているのに対し、柳花笠の茎先には筒状の小花が丸く密生している。



2021.07.12(月)記
束の間晴れた週末、公園の浜朴(はまぼう)が一斉に花をつけていた。6月下旬に開花した後、花は一旦姿を消したが、先週来の雨に目覚めたのだろうか。夏に咲く同じアオイ科の木槿(むくげ)のように多彩ではなく、芙蓉(ふよう)ほど優美でもないが、うつむき加減に開く黄色い風車みたいな花は独特だ。



2021.07.05(月)記
6月下旬から空き地や道端を白い花で彩っている木がある。唐鼠黐(とうねずみもち)という常緑樹だ。近くで黄緑色の花穂を揺らしているのは、秋の紅葉が美しい南京黄櫨(なんきんはぜ)だ。至る所に自生しているのに、花期や秋以外は目立たない。5月に薄紫の花をまとう栴檀(せんだん)もそのような木だ。



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