種の学名は上記の形が基本ですが、他の種との区別を明確にするため、変種/品種の特徴を表す語(変種/品種形容語)や栽培品種名が付加された学名もあります。
変種形容語が付加された学名の例:
変種形容語は、変種(varietas)を意味する var. の後に付けます。
きんもくせい(金木犀) Osmanthus fragrans var. aurantiacus
Osmanthus は「モクセイ属」、種形容語 fragrans は「芳香のある」、変種形容語
aurantiacus は「橙黄色の」を意味します。
変種形容語と品種形容語が付加された学名の例:
品種形容語は、品種(forma)を意味する f. の後に付けます。
あかばなまんさく(赤花満作) Hamamelis japonica var. obtusata f. incarnata
Hamamelis は「マンサク属」、種形容語 japonica は「日本の」、変種形容語 obtusata
は「鈍頭の」、品種形容語 incarnata は「肉色の」を意味します。
栽培品種名が付加された学名の例:
栽培品種名は、最初の一文字を大文字にし、一重引用符でくくって示します。イタリック体は用いません。(以前は、栽培品種(cultivar)を意味する cv. の後に付けました。)
すいふよう(酔芙蓉) Hibiscus mutabilis 'Versicolor'
※ 旧表記では、Hibiscus mutabilis cv. Versicolor
Hibiscus は「フヨウ属」、種形容語 mutabilis は「変わりやすい」、栽培品種名
Versicolor は「さまざまな色」(白い花が次第に紅を帯びること)を意味します。