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2021.06.29(火)記
黄色い花が夕方に開き、翌朝にしぼむ待宵草。海が近いせいか、見かけるのは待宵草の仲間で一番花が小さく、丈の低い小待宵草(こまつよいぐさ)ばかりだ。ほふく性の草だが、草むらで生育する個体は周囲の雑草に埋もれまいと茎が立ち上がる。雲間から西日が射し、咲いたばかりの花にしばし生気が宿った。
2021.06.20(日)記
先月から至る所で見かける白い花と紅い花。少々日当たりが悪くても、庭の隅やごみ収集場所など人の生活圏で健気に咲いている。毒痛(どくだみ)は抗菌作用があり、毒や痛みに効くという。他方、紫片喰(むらさきかたばみ)は果実をつけず、地下茎で殖える。カタバミ属特有のハート形の三つ葉も愛らしい。
2021.06.09(水)記
公園への道筋に廃校となって久しい母校があり、正門脇の木陰一帯を常緑の露草が覆っている。緑博多唐草(みどりはかたからくさ)のようだ。近くには野博多唐草(のはかたからくさ)の群落もあり、ともに先月から白い小さな花を点々と薄闇に浮かべている。自分が通学した頃もこうして咲いていたのだろうか。
2022.05.28 画像追加
右の写真では、手前側に野博多唐草(葉の緑色がやや薄く、茎は紫色)が、奥側に緑博多唐草(葉の緑色が濃く、茎も緑色)がそれぞれ群生しています。
2021.06.08(火)記
公園の菖蒲園が見頃だ。ここの主役は「愛知の輝」という名の黄花菖蒲。湿地などに自生する黄菖蒲(きしょうぶ)と、花菖蒲(はなしょうぶ)との交配種で、黄菖蒲よりも淡い控えめな黄色がきれい。他にも種々の花菖蒲が咲き競っているが、各々の品種名はわからない。菖蒲園をめぐる木橋の背後には、やはり多彩な紫陽花(あじさい)が植栽されており、花菖蒲と互いを引き立て合っている。
2021.06.07(月)記
花を咲き終えた姫沙羅(ひめしゃら)の後を引き継ぐように、公園の夏椿(なつつばき)が次々と花をつけている。ともにツバキ科の落葉樹で、例年通りそれぞれ5月下旬と6月上旬に花期を迎えた。開花時にしべの花粉が付着するのだろうか、花弁の内側に所々橙色が浮かんでいる。花を縁取るしわが美しい。
2021.06.06(日)記
公園で「アメリカデイゴ」と名札のついた低木が深紅の花をつけ始めた。図鑑によると、アメリカ梯梧(でいご)は海紅豆(かいこうず)とも呼ばれ、南米ブラジルの原産で、アルゼンチンやウルグアイの国花になっている。だが図鑑に見るアメリカ梯梧は、公園の木と花の色は似ているが、花や葉の形がどうも違う。
ネットで調べてみると、公園の木は珊瑚刺桐(さんごしとう)といい、葉の形から菱葉梯梧(ひしばでいご)とも呼ばれるそうだ。海紅豆(アメリカ梯梧)と、米国南東部やメキシコ北東部が原産のヘルバケア(Erythrina herbacea)との交配により作られた木で、細い筒形の花や先の尖った葉はヘルバケアに似ている。
南米原産の海紅豆(アメリカ梯梧)と北中米原産のヘルバケアから生まれた珊瑚刺桐(菱葉梯梧)は結局、アメリカ原産なので、「アメリカデイゴ」と呼んでも間違いではない。和名の「珊瑚」は光沢のある紅い花を、「刺」は枝や葉裏脈上にあるトゲを表しており、「桐」は幹肌が桐(きり)に似ていることによる。
2021.06.03(木)記
公園の園路に沿って、大輪金糸梅(たいりんきんしばい)の黄色い花が初夏の風に揺れている。栽培品種名をヒドコートといい、この名のほうが知られている。オトギリソウ属の仲間は、近所では他にあまり見かけないが、名古屋市内では、企業の植込で標準種の金糸梅(きんしばい)と、西洋金糸梅とも呼ばれる姫金糸梅(ひめきんしばい)を、神社の境内で未央柳(びようやなぎ)を見たことがある。写真は、左上から時計回りに、大輪金糸梅、金糸梅、姫金糸梅、未央柳。
2021.05.24(月)記
公園の池の端で、今年も姫沙羅(ひめしゃら)が花をつけた。池にかかる木橋のすぐ隣に3株寄り添うように植えてあるが、花に気づかずに通り過ぎる人も少なくない。ツバキ科の木にしては花が小ぶりで、うつむき加減に咲くせいかもしれない。しべを抱くように開いた花弁に、つぼみの薄桃色が残っている。
2021.05.23(日)記
公園の小高い緑地の傾斜面に、山法師(やまぼうし)を見つけた。先週末に報告した山法師からさほど離れてはいないのだが、下の園路から見ると周囲の雑木に埋もれてしまい、これまでその存在に気づかなかった。花は葉の上につくので、咲いていても園路からは見えにくいせいもある。この木はびっしりと花をつけ、雪の積もったような姿は花期の一つ葉田子(ひとつばたご)を思わせる。
2021.05.19(水)記
海沿いに点々と自生している雑木がいっせいに、淡い紫色のもやもやしたものをまとっている。近寄ってみると、それは枝に被さるように咲いた小さな5弁花の集まりだった。この花のおかげで、川の護岸や道路脇の至る所で涼しげに若葉を揺らしているこの木、栴檀(せんだん)という名の落葉樹の存在に気づいた。
2021.05.15(土)記
いつもの公園には、山法師(やまぼうし)が一株植えてある。まだ若い木で幹は細く、高くもないが、白い花のように見える総苞(そうほう)は葉の上に開いていて、木に近寄るとかえってよく見えない。黄緑色だった総苞は大きくなるにつれて白くなった。中央に密集している蕾ももうすぐ開花するだろう。
2021.05.05(水)記
道端のあちこちで白詰草(しろつめくさ)の花が見られるようになった。他方、紫詰草(むらさきつめくさ)(別名:赤詰草)は、自宅周辺では農道に沿ったこの一角でしか見たことがない。よく見ると、赤紫色の球は小さな花が密生してできている。白詰草の茎が地面をはうのに対し、紫詰草の茎は立ち上がる。
2021.04.27(火)記
先週末、一つ葉田子(ひとつばたご)がもう雪化粧をしていた。例年この地域では5月の連休後半に見頃を迎えるが、まわりで咲き誇るツツジと同様、今年は1週間ほど早い。葉に積もった雪、それは白い小さな4枚羽根の竹とんぼを積み重ねたような花序で、強い風に枝ごとあおられ、逆光の中にかすんだ。
2021.04.26(月)記
公園の秋楡(あきにれ)がようやく芽吹いた。秋に開花・結実し、落葉して冬を越す。同じニレ科で春に開花する欅(けやき)や榎(えのき)はひと月前に芽吹きを迎え、今は若葉に包まれている。厚みのある秋楡の葉も、まだ見るからに柔らかそうだ。きらめく陽光の下、花水木(はなみずき)も花を躍らせている。
2021.04.25(日)記
初夏に赤黒い丸い果実を結ぶ山桃(やまもも)も常緑樹で、やはりオレンジ色の新葉が美しい。春分を過ぎて1か月余り、午後の5時は陽がまだまだ高い。柔らかい西日の降り注ぐ山桃の葉の上で、一匹のアブが心地よい風に揺られていた。足元でそよぐ春紫苑(はるじおん)を踏まないようにして近づいた。
2021.04.16(金)記
躑躅(つつじ)がポンポンと花をつけ、花水木(はなみずき)がフワリと総苞を開くと、せわし気な春の公園も一息つける。常緑樹にも変化が見られる。深緑色の分厚い葉をもつ椨(たぶのき)が枝先に淡い橙色の新葉をまとい、同じ科の楠(くすのき)は赤みを帯びた柔らかい若葉の間から白い花序を伸ばしている。
2021.04.10(土)記
春分から二十日、5時近くになっても公園は柔らかな陽ざしに包まれている。園路沿いの桂(かつら)や、緑地に点在する雑木の中でひときわ高い欅(けやき)や榎(えのき)が新緑をまとった。榎の新緑はうぐいす色に近い。半月ほど前の芽吹きの頃はどの木も地味な茶褐色で、周囲の桜の陰に隠れてしまっていた。
2021.04.07(水)記
桜に気を取られている間にも、季節は着実に進んでいる。夕方公園を訪ねると、花が散り始めて葉桜に変わりつつある染井吉野をねぎらうように、桂(かつら)や榎(えのき)、欅(けやき)、花の木(はなのき)が一斉に新芽を吹いていた。黄緑色の花と小さな葉を枝いっぱいにつけているのは銀杏(いちょう)だ。
2021.04.05(月)記
公園で桂(かつら)が芽吹きを迎えた。園路を縁どる並木は各々のペースで新葉をまとい始めている。昨年の今日撮影した左の写真では、手前と奥の木に比べて中央の木はまだ緑が少ない。右はその一週間前に撮った別の桂の木だが、残照を受けて輝いているのは、芽吹き前の枝にびっしりとつく赤い小さな花のせいだ。
2021.04.03(土)記
学校の門にかぶる桜を近くで撮りたかったが、逆光になりそうで、遠くからカメラを向けた。そばを流れる小川のほとりで西洋芥子菜(せいようからしな)の花が揺れていた。よく似た西洋油菜(せいようあぶらな)に比べて花はかたまりが小さく、バラけている。4月、あちこちの道端でそよそよと春本番を告げる。
2021.04.01(木)記
4年前の今日、名古屋市内の通りに面した植込みで撮影した三椏(みつまた)の花。がく(花弁のような部位)の内側が、一般的な黄色ではなく赤橙色の栽培品種、赤花三椏(あかばなみつまた)だ。前年に偶然見かけ、毎年この時期に前を通ることにしていたが、コロナ禍の今は電車で出かけるのを避けているために足が遠のいている。三椏(三叉)の名は、枝が三つに分かれることに由来する。
2021.03.28(日)記
園路に沿って、山桜(やまざくら)も開花している。山桜には種々あり、新葉の展開と並行して開花が進むという点以外は、花の色や新葉の色、開花時期などがそれぞれに異なる。有名な種に該当しない野生種の桜をひと絡げに山桜と呼んでいる気がする。茶色い新葉は、展開後もしばらく茶色いままだ。下の写真の山桜は下部の細枝が垂れており、枝先についた花のかたまりがくす玉のようだ。
2021.03.27(土)記
公園で大島桜(おおしまざくら)が見頃を迎えた。開花予想の基準となる染井吉野よりも一足早く咲く。花と葉が一緒に開くところは山桜に似ているが、花は山桜や染井吉野よりも一回り大きく、真っ白だ。開いたばかりの葉も、柔らかだがすでに大ぶりだ。雰囲気的には染井吉野の父が大島桜、母が江戸彼岸か。
2021.03.22(月)記
自家用車を車検に出した帰り、電車を本来よりも三駅先で降り、自宅まで1時間ほど歩いた。平日の午前とあって里山の道は静かだ。坂を上り、道沿いの畑に鎮座する目的の木の前を通った。白い星々が渦を巻く小宇宙のような枝ぶりのその李(すもも)の大木を、早咲きの白い山桜(やまざくら)も見下ろしていた。
2021.03.21(日)記
公園で杏(あんず)の花が見頃だった先週末から一週間、春分の今週末はあちこちの畑で李(すもも)が満開だ。斜め上方へ枝を伸ばす杏に対し、李はどっしりした佇まいで、壮木の幹はうねるように分岐して横方向に大きく枝を張り出す。開花してまもなく枝先から新葉が開き、白い樹冠は次第に黄緑色に変わる。
2021.03.08(月)記
公園で早咲きの杏(あんず)が開花しました。桜などは長い花柄の先に花をつけますが、杏の花のつき方は梅のそれに似ていて、枝に花が直結しているように見えます。花そのものも梅に似ています。短い枝や根元近くから伸びた枝に沿って淡紅色の花をびっしりとつけ、開きかけた蕾は小さなマシュマロのようです。
2021.03.03(水)記
ずいぶん明るくなった夕方、町角でもう桜が咲いています。河津桜(かわづざくら)です。沖縄では1月半ばに開花する寒緋桜(かんひざくら)と、白い大輪を咲かせる大島桜(おおしまざくら)とが交雑して生まれた桜で、濃い花の色合いやこうべを垂れて咲く姿、早咲きの性質などを寒緋桜から受け継いでいます。
2021.03.01(月)記
1月下旬から3月にかけて梅林を彩る整った枝ぶりの梅をよそに、2月末に畑の端や竹林の脇、用水路の土手など、そこかしこで一斉に開花する梅があります。絡み合って伸びた枝に小ぶりの白い花を雑然とまとい、遠目には全体がぼんやりかすんだように見えるこの梅(うめ)を「おぼろ梅」と勝手に呼んでいます。
2021.02.14(日)記
陽光に春を感じるこの時期、黄色い花が目を引きます。よく香る壺形の花を鈴なりにつけて寒風に抗っていた蝋梅(ろうばい)に代わり、縮れた細い花弁が特徴的な満作の花が野趣のある甘い香りを漂わせています。花弁が太く花も大振りな支那満作(しなまんさく)が在来種の満作より一足先に満開となりました。
2021.02.07(日)記
1月末に撮影した素心蝋梅(そしんろうばい)の花です。今年最初の記事の中で触れましたが、この木は道路に面した畑の端に一株だけ植わっています。普段は目立たず、見過ごしてしまいがちな道端の樹木が開花の時を迎えて咲かせる花には、その可憐さに息をのみ、その健気さに胸を打たれることもあります。
2021.01.26(火)記
小雨降る公園を歩きました。地面を赤く染めているのは秋楡(あきにれ)です。林床に積もった褐色の落ち葉が雨を含み、辺り一面に明るい茶色の絵の具をまいたようでした。秋に薄緑色の小さな花が咲いた後にできる実は落葉後も殻が小枝に残るので、雨の日には樹冠全体がぼんやりと煙っているように見えます。
2021.01.03(日)記
今年初めて公園に行きました。道路脇で、一株の素心蝋梅(そしんろうばい)が黄色い玉のような蕾をもう開きかけていました。公園では梅がほころび始めています。花の木(はなのき)の高い枝には、暖かかった秋に芽吹いた新葉がいつの間にかなくなっています。年越し寒波が春への準備をひとつ整えたようです。
2020.11.18(水)記
この秋の歩みは例年よりゆっくりです。それでも近くの公園では、桂(かつら)や桜、花水木が色づいた葉をすでに落とし、欅(けやき)の茶、榎(えのき)や銀杏(いちょう)の黄、唐楓(とうかえで)の朱、花の木の赤が目を引きます。暖かい日が続き、梅、桜、杏(あんず)や李(すもも)など、新葉が芽吹いて花がほころんでいる木もあります。来春までとっておいてほしい気もします。
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